一人ひとりが変わる、動き出す!アプラスの波及するダイバーシティ
SBI新生銀行グループでは、多様な人材が自分らしく輝ける組織の実現に向け、ダイバーシティ推進室を事務局とするグループD&I(ダイバーシティ&インクルージョン)委員会がグループの活動を牽引するとともに、D&Iに関する組織特有の課題についてD&I組織別部会が取り組む体制に強化され、連携を図りながら推進しています。SBI新生銀行リテールに続き、今回はアプラスの取り組みについてご紹介します。
毎年3月8日は、アプラスのオペレーションセンター(※1)が鮮やかな黄色に染まります。これは、国連が制定した「国際女性デー」のシンボルカラーにかけ、女性のエンパワーメントへの賛同を示すため、身の回りにミモザの色を取り入れるアクションイベントで、オペレーションセンターでは年齢も性別も、雇用形態も異なる、呼びかけに賛同したメンバーが、黄色いものを身に付けたり、飾ったりしてイベントを思い思いに盛り上げています。このような活動がここ数年でかなり根付いたイベントになったのも、楽しみながら何かを成し遂げて行こうというオペレーションセンターのチームワークの良さや一体感の表れなのかもしれません。
オペレーションセンターから始まったダイバーシティの活動(当時は女性活躍推進活動)は、2023年末にはコレクションセンター(※2)を交えた取り組みへと広がり、メンバーの主体的な活動によってさまざまな副次的効果を生んでいます。
活動の背景や目的を共有して意義を感じれば人は動き、みずから動くからこそ取り組みに価値が生まれることを、アプラスのダイバーシティは示しているといえるでしょう。
アプラスダイバーシティプロジェクトを率いる中心メンバーに、プロジェクトの推移と気づきについて話を聞きました。
現場が意義と価値を感じられるよう、組織の課題から施策を展開
──アプラスのダイバーシティの取り組みは、オペレーションセンターからスタートしたと聞きました。それはなぜだったのですか?
増田:オペレーションセンターは非常に女性が多い部署で、全体の8割が女性、管理職も6割が女性です。グループのダイバーシティの取り組みが最初は女性活躍にフォーカスする形で始まったことから、女性が非常に多い部署であるオペレーションセンターやオペレーション本部が率先して取り組む形になりました。
小針:横井さんにプロジェクトの初代リーダーをお願いしたのは、普段からセンターのスタッフとコミュニケーションをよくとっていて、人に愛される人柄だと感じていたからです。すごく人望が厚いんですよ。
横井:リーダー職を拝命したものの、ダイバーシティプロジェクトの性質上、いつまでに何を実現させればプロジェクトが完了、といった目に見えるゴール設定が難しいため当時は戸惑いました。
お客さまの問い合わせにスムーズに対応することが求められるオペレーションセンターは、どうしても目の前の業務に追われがちです。さまざまな雇用形態の方がいて、育児や介護などで時間の制約がある中で働いている方も多いため、業務外、かつ終わりのない取り組みには抵抗を感じる方も少なくないことが、まず大きな壁でした。
最初に丁寧に取り組みの意義や効果を自分なりに考え、スタッフみんなに目的を説明して自分事化してもらう必要がありました。
小針:横井さんがすばらしいのは、「こんな風に進めてほしい」「まずは課題を立てて…」といった具体的なことは一切伝えなかったのに、自主的に考えて行動してくれたことです。
横井:現場が日々感じている課題の解決につながる施策を打ち出すことで、「自分にとってどんな意味があるのか」「取り組むことによって何が得られるのか」を現場のスタッフに見せたいと考えたんです。
池袋、東京、吹田、大阪、岡山、福岡の各センターでリーダーを選出してもらい、テーマによってメンバーを追加する体制を構築しました。そんな風に横で連携をすることも初めてで、より現場の実態に即した取り組みを始める最初の一歩でしたね。
――具体的には、どんな施策を展開されたのでしょう。
横井:課題に対してあるべき姿を定義し、それに近づくための方法を施策に落とし込みました。
例えば、日々の業務に追われて自分の成長について考える余裕がないという課題であれば、誰もが成長意欲を持って仕事に取り組める状態が理想です。
そこで、仕事やキャリアについて上長と話すことができる1on1を、オペレーションセンターのスタッフ全員に必ず実施してもらうようにしました。
山縣:2022年には、「ダイバーシティ通信」などで、そもそもダイバーシティとは何かの発信もされていましたよね。小針さんをはじめとした女性管理職へのインタビューも、縁遠いものと思いがちな管理職へのキャリアが身近に感じられて新鮮でした。
2023年からは、組織を超えた共同プロジェクトに
――2023年10月から、コレクションセンターが活動に加わったのにはどのような経緯があったのでしょう。
増田:SBI新生銀行グループのダイバーシティの取り組みが、女性活躍から多様な人材の活躍へと広がったことと、アプラスも全社を挙げてダイバーシティに取り組むべきだと感じていたことに加え、私が信用リスク管理本部に異動したこともきっかけになり、プロジェクトを立ち上げたという流れです。
横井さんと同じようにセンターとのつながりが強い放生會さんをリーダーに任命したわけですが、センター長に向けたプロジェクト説明も実に思い入れをもってやってくれて、聞いているセンター長の真剣な顔を見て、これはしっかり進めていけると確信しましたね。
放生會:コレクションセンターでの勤務歴が長い分、顔見知りのメンバーが多かったからですよ(笑)。
コレクションセンターで活動を始めるにあたって、横井さんと山縣さんにこれまでの取り組みを教えていただきましたが、オペレーションセンターと比べるとコレクションセンターは男性が多いので、まったく同じ活動では現場の実情と齟齬が生まれてしまいます。
そこで、多様な人材がさらに活躍するための職場環境整備に重点を置き、センターのメンバーから課題やアイディアを集めて施策を検討しました。
放生會:良い意味で意外だったのは、センター長たちも組織に課題感があって、とても協力的だったこと。全社の啓発やオペレーションセンターの活動でダイバーシティが浸透していたこともあって、スムーズに話が進みました。
今後は、センターのメンバーの課題・アイディアからの施策として研修や業務で関わるオペレーションセンターとの交流(意見交換)などを実施して、その結果、働く人のモチベーションアップ、離職率の低減、コンプライアンス遵守に繋がるような取り組みになればいいなと思います。
山縣:オペレーションセンターでは定期的に若手、中堅、研修担当者を対象にセンター間での交流会を行い、好意的なフィードバックをたくさんいただきました。リモートで交流することが社会的に普通になっていることも、大きな後押しになっていると感じています。
置かれている立場が似ている人同士でフラットに話すことで、働き方やキャリアに関する悩みを共有でき、孤独感が解消されたり、刺激をもらえたりする効果があるようです。交流会は、これからも活動の軸にしていきたい施策ですね。
現場が主役のプロジェクトで、アプラスの成長を底上げしたい
――最後に、今後の展望をお聞かせください。
放生會:これまでオペレーションセンターとコレクションセンターは、業務上のやりとりはあったとしても、お互いに深く知る機会はなかったんです。。今後はもっと気軽に連携し合えるように、オペレーションセンターとコレクションセンターの交流や協業の機会を増やしていきたいですね。
私自身、このプロジェクトでオペレーション本部の皆さんと関わる機会が増えたことで、ちょっとした相談ができて仕事が進めやすくなったり、新しい視点を得たりと、さまざまな変化を感じています。
センターでも交流を通じてほかのセンターや本部の業務に興味を持つ人が増えれば、キャリアの選択肢が広がると思います。
横井:増田さん、小針さんのように、なかなかお話しする機会がない役員の方々と一緒に働けるという意味でも、プロジェクトへの参加意義がありますね。
山縣:プロジェクトメンバーの新陳代謝を進めて、たくさんの方にプロジェクトに参画してほしいですね。私自身も、社内で顔見知りが増えることでいろいろな意見を知ることができ、プラスに働いていることが多いです。
小針:交流会を盛り上げるためのシナリオを考えてくれる人がいたり、ダイバーシティ通信を読みやすく工夫して仕上げてくれる人がいたり…。推進リーダーの皆さんが主体的に動いてくれるのは、うれしい誤算でした。業務だけではわからないそれぞれの個性が発揮されています。
会議の司会や資料作成も持ち回りでやってもらっていますが、回を重ねるごとにレベルアップしていて、成長の速さに驚かされます。多様なキャリアや働き方の推進に向けて、プロジェクトを上手に利用してほしいと思います。
増田:プロジェクトを通じて、携わった人たちが自分のこととして自発的に活動をどんどん展開していくことに驚かされています。オペレーションセンターとコレクションセンターの自主的な交流会などは思ってもみなかったことで、その好事例と言えます。これからも現場の声を大切に、会社全体が成長し続けられるような取り組みを続けていきたいですね。
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