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機械・建機バイセル事業が紡ぐ日本と世界の持続的な未来

バイセル事業とは、買い取りやオークションといった手段を通して機械などの商材の最適な売買を提案、支援する事業です。昭和リースは特に中古の工作機械や建設機械の売買において存在感を発揮。国内外で社会的意義のある取り組みを続けています。さまざまな事業者と共創し、社会の持続性に貢献するビジネスの姿とは。機械バイセル・建機バイセルに携わるメンバー、グループ会社であるトーザイ貿易のキーパーソンが、バイセル事業の可能性を語ります。

語るひと:
昭和リース
機械設備営業部 統轄次長 辻﨑康弘
建設機械営業部 統轄次長 小松徹一郎
(所属・役職はインタビュー当時)
トーザイ貿易
代表取締役社長      内藤洋一郎

国内外に広がる「バイセル」の可能性
機械の調達・売買を支援するビジネスの姿

――「機械バイセル」「建機バイセル」では、どのようなニーズがあり、社会にどのような価値を提供できているのでしょうか?

機械設備営業部の辻崎さん。工作機械や食品加工機械などの中古機械設備の売買を担当。

辻﨑:「機械バイセル」事業では、工作機械等の機械設備の適切な売買を支援しています。ものづくり産業がさかんな日本では、「不要になった機械を下取りに出したい」「中古機械を購入したい」というニーズは根強いものがあります。私たちにはリース会社として中古動産のネットワークがありますし、50年以上培ってきた高精度の査定ノウハウにも自信があります。リース会社ならではのきめ細かく、ご安心いただける支援で事業者のニーズに応えているのです。

小松:私たちはグループ企業であるトーザイ貿易と連携しつつ、中古建設機械の買取及び販売サービスを提供しています。新品機械の購入から処分まで、一気通貫で提供するアセットプラットフォームを整備しており、物件処分の際は建設業者の遊休機械を中古市場に届けているのです。機械の再利用を促進することで、国内の事業者、そしてアジア圏へも価値を届けられていると感じています。

内藤:私たちトーザイ貿易はオークションなどを通し、中古の建設機械を国内外のバイヤーに届けています。強みの一つ「パレードオークション」は、その名の通り、油圧ショベルやブルドーザー、クレーンなどの中古建設機械を会場で1台ずつ自走させてオークションをするもの。約250台の建設機械が出品され、国内外のバイヤーが会場やオンラインから入札します。運営ノウハウやコストも含め、パレードオークションを開催できる同業者は国内にも数社しかありません。継続した取り組みでバイヤーの認知と支持を集め、海外への販路拡大も実現させています。

■トーザイ貿易のパレードオークションの様子
建機が一台ずつ自走して会場中央に。バイヤーたちはリアルタイムで入札を行う。

中小企業の事業承継、海外の土木建設にも貢献
リース業の知見がビジネスの現場を支える

――機械バイセル、建機バイセルにおいて、昭和リースならではの強みはどのように発揮されているのでしょうか?

辻﨑:製造工場、食品加工工場などの機械や設備を一括で処分できる動産一括処分サービスが強みです。企業が機械や設備をまとめて処分するためには、それぞれの処分先を個別に手配しなければなりません。また、一般的な設備の処分を担う中古動産買取会社や廃棄物処理業者の多くは、取り扱いできる動産が限られています。
その点、さまざまな機械や設備を「一括で」処分できるのは、リユース・リサイクル業務に通じたリース会社ならではの優位性です。ある企業からの依頼で、工場はもちろん、福利厚生を兼ねていたボウリング場の設備を含めて一括処分を担ったこともあります。後継者問題から廃業リスクに直面する中小企業も増えていますが、スムーズな事業承継や廃業に関して、この動産一括処分サービスが貢献できると考えています。

建設機械営業部の小松さん。現在フィリピンに出向中。

小松:私は現在マニラに駐在しています。私が取り組んでいるのは、フィリピンにバイセルの出口を確立し、海外で評価の高い日本製の建設機械を広げていくことです。2019年には、昭和リースがフィリピンにクレーンのレンタル会社を合弁で設立しました。海外、特に東南アジア諸国では丈夫で長持ちし、厳格な検査制度が運用されている日本製の建設機械が高く評価されています。製造から20年~30年経っていても、丁寧に使われ、メンテナンスされた建機は十分に使えるからです。定評ある日本製建機のリユースを促進し、成長著しい東南アジア諸国とのつながりを深めていければと思います。

日本の経済と諸国の持続的な未来へ
明日を紡ぐビジネスへの期待

金属工作機械を中心に、清掃・整備を終えた良質な機械を取りそろえているマシンセンター。

――リース会社のノウハウとネットワークを通し、社会的に意義のある取り組みに結実していることがわかります。バイセル事業では今後どのように社会課題を解決していきたいとお考えですか?

辻﨑:昭和リースの事業は各種リース業と割賦販売、ファイナンス業務が主軸ですが、バイセル事業に携わるメンバーは日本のものづくり、中小企業を機械バイセルで支援していく気概に満ちています。動産一括処分サービスは、不要になった機械や設備を販売したり、在庫として買い取ったり、処分のサポートをしたりと、サステナビリティの中でも、循環型社会を実現するために必要な「3R」(リデュース・リユース・リサイクル)のうち、特にリユースに直結する事業です。今後も事業承継など、サステナビリティに関する問題を解決し、持続性のある社会、そして経済に寄与していければと考えています。

トーザイ貿易の代表取締役社長である内藤さん。
建設機械のパレードオークションを開催する企業は、国内でも数少ない。

内藤:パレードオークションなどを通して販売する中古建設機械は、農地の開墾や井戸掘りといったインフラの整備、災害復旧など世界中のさまざまな現場で活躍しているようです。そして、中古機械の買い取りを通して、SDGs目標12「作る責任、使う責任」に貢献できている実感もあります。建機バイセルを通して売買を活性化させることが、多くの人々の笑顔につながればよいですね。

小松:フィリピンに赴任して感じるのは、ストリートチルドレンなど格差問題が今なお残っている場所も少なくない、ということです。道路や街区を整備することは、雇用の創出や経済発展につながります。その先には、SDGs目標10「人や国の不平等をなくそう」も見えてくるはずです。昭和リースが進めたフィリピンの合弁会社設立は、アジア圏でバイセルを広く、安定して進めていくための第一歩です。小さな取り組みから、世界が直面する課題の解決につなげていければと思います。

【編集後記】
辻﨑さんはテレワーク中のご自宅から、小松さんは赴任中のマニラから、内藤さんは本社のある神戸からオンラインでの取材となりました。国内外で進むバイセル業務の広がりと、事業に携わる担当者の思いが交差するひととき。サステナビリティ活動を意識する皆さんの熱気をダイレクトに感じました。

取材・文/佐々木正孝


こちらは、SBI新生銀行グループの昭和リース・トーザイ貿易に関する記事です。

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