社会課題と事業をつなぐ架け橋に!サステナビリティ通信の制作秘話
SBI新生銀行グループでは、中期経営計画「SBI新生銀行グループの中期ビジョン」の基本戦略のひとつとして、「事業を通じたサステナビリティの実現」を重点課題としています。各社、各部門で多様な取り組みを実施し、2023年度からは、SBI新生銀行の個人のお客さま向けの店舗であるSFC(SBI新生フィナンシャルセンター)でもサステナビリティ目標を設定し、より積極的に取り組みを進めています。
今回の記事で取り上げるのは、個人ビジネスにおいてサステナビリティを統括・推進するグループ個人営業企画部サステナビリティ推進室です。同室発足の翌年から社内向けに発行しているメールマガジン「個人ビジネスに取り組む方々のためのサステナビリティ通信(以下「サステナビリティ通信」)」は、さまざまな領域のサステナビリティやSDGsに関する最新の情報を提供し、個人ビジネス関連組織の従業者の意識向上に貢献しています。
このサステナビリティ通信の企画・編集・発行を担当する4人に、サステナビリティ通信にかける思いと取り組みの詳細を聞きました。
個性の異なるメンバーがアイディアを出し合い、月2回欠かさず配信
――まずは、サステナビリティ通信がどのようなものか、概要を教えてください。
五十嵐:サステナビリティ通信は、サステナビリティに関する情報、自社・他社の取り組み事例などを紹介する社内向けメールマガジンです。SBI新生銀行、アプラス、新生フィナンシャルの3社の、個人のお客さま向けサービスを展開している部署に向けて毎月配信しています。
配信は月2回で、1回目は特集記事を配信。その内容に関連する事例やホットトピックス、クイズを、2回目に配信しています。サステナビリティ推進室ができた翌年から配信していますから、もう2年程、一度も途切れず配信を続けています。継続して発信していくことで、サステナビリティは一過性のものではないという意識が芽生えることを企図しています。
小湊:2021年に推進室が立ち上がってから1年程は、メンバーでSDGsに関する勉強会をしたり、各々が学んだサステナビリティについて発表し合ったりして知識を深め、並行して施策を検討していました。その一環として、個人のお客さま向けのサービスを担当している部署にサステナビリティに関するアンケートをとったところ、「サステナビリティの基礎知識を身に付けたい」「自社グループや他社がSDGsについてどんな取り組みをしているのか知りたい」という声が多く寄せられたんです。
その頃、SBI新生銀行グループのサステナビリティサイトがオープンしたこともあり、取り上げられた自社事例を社内向けに深掘りした記事と、サステナビリティやSDGsの基礎知識、他社事例を調べて共有する記事の2本立てで毎月メールマガジンを配信しようということになりました。
推進室の立ち上げから3カ月後には山川さんが合流し、個人のお客さまの接客で培った知見を活かして、より記事の幅が広がっています。
山川:入社以来、複数の支店で個人向け運用商品のご提案などを担当する中で、真にお客さまのためになる提案とは何かを考えてきました。お客さまの感覚がわかることが私の強みだと思うので、サステナビリティ通信では、できるだけ身近で親しみやすい情報を発信することを心掛けています。
小湊さんは法人営業やIT系の部署、海外勤務の経験もあるので、私にない視点を持っていてとても新鮮です。サステナビリティ推進室と兼務している住宅ローン部でも、新しい環境配慮型住宅ローンのプログラムを企画・推進していて、アンテナの数が多いんですよ。
小湊:メンバーみんな、兼務している仕事も違いますし、世代やバックグラウンドもいろいろで、いい意味で考え方もバラバラ(笑)。でも、それがこのメンバーの良いところだと思っています。
サステナビリティに関するニュースや事例を見つけたら、すぐにみんなで情報共有することになっているんですが、その感想を話し合うときも、メンバー間で見え方や捉え方が違います。メンバーそれぞれが、いろいろな方向にアンテナを張っているからこそ、サステナビリティ通信は多彩な切り口があり、幅広い視点の記事につながっている気がしますね。
中西さんも、私たちとは違うバックグラウンドを持っていますよね。
中西:私は、つい最近までSFCで個人のお客さまの接客を担当していて、サステナビリティ通信の読者の一人だったんです。自社グループのサステナブルな活動を知ることができましたし、他社事例などもとても興味深く思っていました。SDGsやサステナビリティに関することは、子育てをしながら子どもたち世代から教わることも多くなりました。その中でもっと学びたい、自分にできることはないかと考え異動希望を出した結果、2024年4月より推進室に配属になりました。
サステナビリティを自分事として取り組みたいと思ったきっかけは、夫の転勤で広島に住んで受けた影響も大きいです。広島では、原爆について語り継ぐ平和貢献活動が日常的に行われており、近所の方や子どもの学校で会う保護者の方たちも、平和を守るために自分にできる活動をしようという意識が非常に高かったんです。私も、自分が社会に対してできることをしたいと考えるようになりました。
まだ異動して間もないですが、自身の学びや視点を通じて、サステナビリティ通信の発展に貢献できればと思っています。
あえて役割分担はせず、全員で作り上げていく
――多様なメンバーの個性が活きているのですね。役割は、どのように分担をしているのですか?
五十嵐:私が責任者として全体を管轄し、小湊さんが進行管理をしてくれていますが、企画やネタ集め、編集、誤字脱字のチェックまでは全員でやっています。月初には翌月の特集を考え始め、思いついたアイディアはどんどん共有して絞り込んでいく感じですね。担当も厳密には決めていませんが、それぞれの得意分野を生かしながら、自主的にできること、やるべきことに取り組んでいます。
山川:SBI新生銀行グループが所管する商品・サービスのローンチに合わせて発信したいネタはすぐに決まりますが、それ以外の時事情報やホットトピックスは、直前にみんなでどれを取り上げるか検討することがほとんど。特に事例は、できるだけ新しいものを発信するようにしています。
小湊:コミュニケーションが活発なせいか、ネタが絞り込めないことはあっても、進行が滞ることはほぼないですね。最近は読者に楽しんでもらえるよう、意識的にクイズを取り入れるなど、記事の内容に工夫を凝らしています。
――すばらしいチームワークですね。記事を書くにあたって、チームで統一していること、気をつけていることはありますか。
五十嵐:書き手の個性が出たほうが親しみがわくと思うので、特にルールは設けていません。じっくり読んでもらうと、書いている人の顔や思いが伝わるような内容になっていると思います。今回、中西さんが担当してくれた事例コンテンツは、その最たるものかもしれません。
中西:ある企業が実施している育休復帰支援の事例を取り上げたのですが、「早く復帰するとキャリア形成がしやすい」としている元記事の総括を読んで、「本当にそうかな?」「復帰時期にかかわらず、いつ復帰してもキャリア形成はしやすくあるべきでは?」ともやもやしてしまって。そのもやもやが、そのまま出た文章だったかもしれません(笑)。でも、思ったことを書いたほうがいい記事になると、メンバーみんなからアドバイスをいただき、素直な気持ちで執筆しました。
五十嵐:こうした、個人の視点や考え方を出すことで、自分の考えを知ったり、違うことを考える人もいるんだという気づきにつながったりするのも、サステナビリティ通信の良いところだと思っています。
新たな事業の創出につながるような配信を続けたい
――今、課題だと感じていることがあれば教えてください。
小湊:メールマガジンなので、どうしても一方通行になりがちです。双方向型のコミュニケーションを促進できる方法はないか、模索しています。昨年のサステナビリティ意識調査アンケートの結果を見ると、サステナビリティ通信の内容への満足度は高いのですが、各号に対する読者からの意見やコメントはほとんど入ってきません。
今期からは、サステナビリティ活動に協力したいと言ってくれた方にモニターになってもらい、そこで出た意見やアイディアを次回以降の企画に活かす取り組みを実施したいと考えています。
中西:特に個人向けのサービスを担当している場合、サステナビリティと業務が直接的に結び付きにくく、自分事としてとらえられていないのかもしれません。
山川:「この取り組みもサステナビリティなんだ」「これなら自分の業務の中で実践できるかも」と思ってもらえるようにしたいですよね。そして、読者の方々がサステナビリティ通信で得た知識をお客さまにご説明したり、他のスタッフに共有するなど積極的に活用していただけたら嬉しいです。インプットした知識をアウトプットすることで、知識がより定着し、自分事になっていくと思うので、そのためにもサステナビリティ通信の中身を充実したものにしていきたいです。
――最後に、今後の展望をお聞かせいただけますか。
五十嵐:それぞれのお話にもあったとおり、サステナビリティへの関心や理解を深め、実践する人を少しでも増やし、社会課題解決に役立つ事業が生まれていくのが理想です。きっと、働きがいも今以上に高まるでしょう。
そのための種まきとして今できることは、毎月欠かさず、質の良い情報を発信し続けること。引き続きチーム一丸となって、環境や社会の課題解決に貢献するための知識を育み、事業を通じたサステナビリティの実現につながるような発信をしていきたいですね。
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