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ファイナンスの“評価”を通じて環境や社会全体にインパクトを【Vol.2】

新生銀行グループは、持続可能性やESG/SDGsの観点と社会的インパクトの概念を融合した「サステナブルインパクト」の取り組みを推進しています。このインパクトとは、環境・社会・経済など社会全般に対して正の(ポジティブな)インパクトをもたらすもの。サステナブルインパクトに携わるメンバーの思い、取り組みを紹介した【Vol.1】に続き、お客さまとの継続的な対話を通して得た気づき、インパクトをもたらす企業や事業への投融資を行うメンバーの情熱に迫ります。

「ファイナンスの“評価”を通じて環境や社会全体にインパクトを【Vol.1】」の記事はこちら📌

語るひと:
新生銀行執行役員サステナブルインパクト推進部長 長澤祐子
新生銀行サステナブルインパクト推進部サステナブルインパクト評価室
室長代理 朝野美里

お客さまとの“対話”の積み重ねが
新生銀行グループの資産になっていく

――「サステナブルインパクト評価室」の取り組み、インパクトを評価するという思いについてはVol.1で語っていただきました。Vol.2ではお客さまとのやり取りを通して得た気づき、学びについてお聞かせください。

朝野: Vol.1で新生グリーンローン評価の実績として紹介した南阿蘇湯の谷地熱発電のプロジェクトを例に説明させてください。 本件は当行初の地熱発電向けのプロジェクトファイナンスであり、当然グリーン評価も初めてとなります。私たちは、第三者となる環境コンサルタントの知見も活かしつつ、本プロジェクトがもたらし得る環境・社会へのポジティブ及びネガティブインパクトのレビューを行いました。

他のサステナブルインパクト評価案件も同様ですが、評価に際して、最低1回は評価対象案件の借入人もしくはスポンサーとなるお客さまにインタビューを行うことにしています。環境・社会への悪影響に係るリスクマネジメント体制をお伺いするとともに、事業者としてこのプロジェクトを通じてどのようなポジティブなインパクトを生み出したいか、すなわち、サステナビリティの文脈でプロジェクトの「意図」を確認することを重視しています。インタビューを通じて、本件は気候変動対策としてだけでなく、地域貢献も目指されていることが分かりました。また、本件の開発経緯についての具体的なエピソードを事業者から直接伺うなかで、彼らが地域住民を含めたステークホルダーの声に耳を傾け、真摯に寄り添いながら開発を進めてきたことがより鮮明に伝わってきました。

もちろん、評価に際して裏付けとなる資料も確認しますが、事業者の思いに耳を傾けること、サステナビリティ推進やリスクマネジメント体制の改善に関して第三者的な銀行の立場で対話をすること――これは、評価と同じぐらいに意味のあることだと考えています。そして個人的には、対話を通じてお客さまの思いや考え方を伺うことが評価業務における楽しみの一つです。とはいえ、しっかりと事前準備もしますし、対話の場は緊張感があり、ファシリテーターとしての機転が求められます。場数を踏むことで、自分自身の成長に少しずつつながっているとも感じていますが、まだまだですね。お客さまの熱い思いを感じつつ、それを冷静に評価書内で可視化させていければ。さらに経験を重ね、サステナブルインパクト推進部としての知見も蓄積していければと考えています。

――チームを率いる立場である長澤さんは、どんなことを意識されてサステナブルインパクトを推進しているのでしょうか。また、メンバーに伝えたいメッセージはありますか。

長澤:Vol.1でお話した通り、これまで約2年間の活動で合計27件のサステナブルインパクト評価を手がけてきました。グリーン評価は再生可能エネルギーのプロジェクトファイナンス案件、ソーシャル評価は介護施設などへのノンリコースローン案件が多く、これは新生銀行グループの強みであるストラクチャードプロダクツが中心となっています。また、障がい者向けグループホームファンドに対してソーシャルファイナンス評価を行うなど、対象アセット及びプロダクツも広がってきています。

障がい者グループホーム向けファンドについてもっと詳しく知りたい方はこちら📌

朝野さんがお客さまとの対話の重要性やその取り組み姿勢について触れましたが、案件を通じたメンバーの成長は目をみはるものがあります。また、サステナブルインパクト評価は新生銀行ならではの知見を生かしていける分野ですし、それがグループ全体の資産になっていくという期待もあります。

「サステナビリティ」というカタカナのキーワードが先行すると、どうしても大上段に考えてしまいがちです。特に本部からの要請、指示となると、ビジネスの現場からは一方的な押し付けとして受け止められることもあります。したがって、社内での意識浸透を図るうえでは、しっかりと地に足のついた議論をかさねることの重要性を日々感じています。端的に言えば、会社全体として目指すべき姿、そしてビジネスの実際の現場とのバランスを意識していく、ということでしょうか。

日進月歩で進化するグローバル基準を
キャッチし学びの姿勢を持ち続ける
メンバーの意欲に期待

――最後に、「サステナブルインパクト評価室」メンバーを走らせる情熱、原動力についてお聞かせください。

朝野:評価業務を通して熱い思いに触れる場面が、一番やる気に繋がっているかもしれません。お客さまの話もそうですが、同じ目標を持った評価室メンバーから刺激を受けることも多いです。評価室には様々なバックグラウンドや経験を有した同僚がいて、彼らの知見や、自分には異なる視点からの考え方に触れることができるのは、貴重だと考えています。

また、最近は新人を含む若手社員にサステナビリティに関する研修を行う機会があるのですが、彼らの質問の質の高さや発想力に心動かされることが多々あります。学校教育等を通じてSDGsがより身近にあることも大きいと思いますが、意識が高い若手たちの今後の活躍が楽しみですね。

私たちが取り組むサステナビリティの領域はE(環境)・S(社会)・G(ガバナンス)に分類されることが多く、環境の領域を例にとっても気候変動、循環型経済、生物多様性…と、とにかく幅広いです。更に「ムービングターゲット」といわれるのですが、国際的な目標、それらを達成するための道程は常に更新され続けています。評価作業に追われながらの情報収集や日々の仕事の優先順位付けは本当に大変ですが、やりがいがあるともいえます。

長澤:部長として考えているのは、メンバーに金融領域の経験値だけを問うことはない、ということです。それよりも、視点が多様化することを重視していければと思います。従来の金融機関の価値観にとどまることなく、常に変化することが求められる時代です。新たに参加したメンバーは、その人ならではの知見だけではなく、旺盛な学習意欲の面でも大いに刺激になります。組織として強さを増すため、専門領域で独自性を磨いてきた新たなメンバーを積極的に募り、切磋琢磨していきたいですね。

朝野さんが、常に新しい情報に上書きされていくサステナビリティ領域の面白さに言及しましたが、サステナブルインパクト評価のグローバル基準も日進月歩で進化しており、市場や金融業界の動向を見つめつつ、常に学んでいかなければなりません。一方、自分たちが何をしたいか、金融機関の使命、あるべき姿と常に照らし合わせながら取り組む姿勢も大切です。学習意欲が高く、自律自走できる頼もしいメンバーがそろっています。新しいものに目配りしつつ、金融機関として不変の使命をそれぞれが追い求めていってほしいと思います。

こちらは、新生銀行グループの新生銀行に関する記事です。

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