いつもの預金で環境改善・社会貢献できる「サステナビリティ預金」に込めた願い
近年、学校や勤務先、メディアを通して、SDGsやESG、サステナビリティといった言葉に触れる機会が増えてきました。しかし、地球の持続性を保ち、共存し続けるための取り組みの必要性を自分事として受け止めているか、実際に環境改善・社会貢献への行動を起こせているかと問われると、自信を持ってうなずける方は少ないのではないでしょうか。
私たちの暮らしや未来を守るために、自分にできることとは?
SBI新生銀行の「サステナビリティ預金」は、そんな個人の問いかけに応えるために作られました。これまでどおりの元本保証の円預金をするだけで、身近な社会課題の解決に投資できる新しい預金の形です。
2023年5月に導入したサステナビリティ預金について、立ち上げを担った5名に話を聞きました。
サステナビリティ預金の趣旨に共感してくださるお客さまは非常に多い
――まずは、今回のサステナビリティ預金について概要を教えてください。
小河原:SBI新生銀行グループでは、中期経営計画における基本戦略のひとつとして「事業を通じたサステナビリティの実現」を掲げ、取り組みを進めてまいりました。
個人のお客さまに預金として資金をお預けいただくサステナビリティ預金は、身近な環境問題、社会課題の解決につながるプロジェクトに融資するものです。通常の預金と同じように預け入れをしていただくだけで、サステナビリティに貢献することができます。
当行のこれまでのサステナビリティに関する取り組みは法人のお客さま向けが中心でしたが、サステナビリティ預金は個人のお客さまを対象とした点に大きな特徴があります。
柴田:今まで、個人のお客さまが銀行に期待する役割といえば「利息を増やす」「保険で備える」「ローンを借りる」「資産を守る」といったことでした。サステナビリティ預金は、さらに「社会貢献する」という新しい価値を付加するものです。
五十嵐:導入準備の過程でお客さまを対象としたアンケートを実施したところ、環境改善・社会貢献に興味を持たれている一方、実際には「何をしていいかわからない」という方が多いということが見えてきました。アンケートの自由意見では、金融機関がサステナビリティに取り組むという姿勢は好感できるとの声も散見されており、「もっとカジュアルに社会貢献できる仕組みがあれば実践する人が増えるのでは」と背中を押されました。
なじみのある円預金で社会貢献ができるということで、多くの方に気軽に利用していただきたいですね。
和田:このプロジェクトは、販売チャネルをインターネットに特化した商品であることも特徴です。私は普段、横浜フィナンシャルセンターでお客さまとお話ししますが、店舗にいらしたお客さまにも商品のご説明をし、ご希望があればその場でインターネットでのお取引をサポートしています。実際にお話をすると、取り組みの趣旨に賛同してくださる方がとても多く、環境改善・社会貢献に興味を持っている方の裾野の広さを実感しますね。
預金が満期になって解約の手続きにいらした方や、ここ最近は株式や投資信託などに積極的でなかった方の中にも、「サステナビリティ預金ならお願いしようかな」と言ってくださる方が多いです。当行の方針や姿勢に共感して動いてくださるのは、とてもうれしいことですね。
長澤:価値ある商品をできるだけ早く届けるため、今回は新たにシステム開発を行わず、既存システムを活用してリリースまでの期間を短縮しました。2023年5月10日から募集を開始しており、募集金額の100億円に達し次第、受け付けを終了します。
今回は社内のメンバーからも「個人的に預金したよ」と声をかけられたり、「もっとこうしてみたらお客さまの反応がいいかも」とアドバイスをもらったりすることが多く、これまでの新商品にない注目度の高さと手応えを感じますね。
個人のお客さまにとってより自分事化しやすい融資先を選定
――融資先のプロジェクトを環境課題解決のためのグリーンローンと、社会課題解決のためのソーシャルローンの2つにしたのはなぜですか?
小河原:企画が立ち上がった2021年度は、グリーンローンのみを対象にする予定だったのですが、諸般の事情で持ち越しとなりました。満を持して再稼働した今回も、当初はグリーンローンのみを対象とする予定だったのです。
長澤:グリーン預金が良いのか、はたまた寄付預金にすべきか、枠組みについてはかなり話し合いを重ねましたよね。
五十嵐:議論を重ねた結果、最終的にはよりSBI新生銀行らしさを出していこうということになりました。他行はグリーンローンを対象としたグリーン預金が一般的であること、当行がヘルスケア部門のファイナンスに注力していて医療機関や施設運営事業者からのご支持が厚いことから、グリーンとソーシャルを合わせた形に落ち着いたのです。
小河原:サステナビリティ預金の対象となるプロジェクトは、法人ビジネス部門が持っている融資先になるので、行内での連携が非常に活きました。個人ビジネス部門はその性質上、グループシナジーを体感する機会が少ないので、多くの関係者の連携によってこうした商品が生まれたことも、今回の収穫のひとつですね。
和田:個人のお客さまは、環境問題以上に身近な社会問題のほうが自分事として捉えやすいと思います。融資先が子どもの教育に絡む保育園や幼稚園、親の介護に伴って必要性を実感する高齢者施設などであるほうが、より役に立っている実感が得られますよね。
柴田:サステナビリティ預金の金利は、決して高くはありません。商品の設計をしている中で、どんなお客さまが反応してくださるのかは未知数だと感じていました。
今、「誰かのためになりたい」という気持ちが原動力となって預金してくださるお客さまが多いと聞くと、やはりソーシャルローンも対象にする決断をして良かったと思いますね。
――実際にどのようなプロジェクトに融資されたのか、知ることはできるのですか?
五十嵐:年に1回以上、第三者評価機関によって評価された成果報告をSBI新生銀行からレポートの形でお客さまにご報告します。細かい融資先情報までは出せないのですが、どの領域に融資され、どのような成果があったのかはわかる内容です。例えば、融資先プロジェクトによってCO2がどれだけ削減されたのか、融資により建設された施設の稼働状況はどうか、といったことですね。
「社会貢献をしに銀行に行く」新しい価値観をSBI新生銀行から発信したい
――最後に、今後の展望を聞かせてください。
和田:サステナビリティ預金に賛同してくださるお客さまは、SBI新生銀行のファンになってくださる可能性がある方だと感じています。長くお付き合いいただけるお客さまを増やしていけるよう、丁寧にご説明してまいります。
五十嵐:サステナビリティ預金をきっかけに、「銀行で社会貢献をする」「社会貢献するために預金をする」という新しい“当たり前”を世の中に根付かせていきたいと思っています。SBI新生銀行発信で、銀行の概念を変えていけたらいいですね。
柴田:普通に預金をしたら自分が得をするだけだけれど、サステナビリティ預金なら自分と誰かの未来を作るきっかけになる。この預金で、そうした選択肢がお客さまにあることを少しは示せたのかなと思っています。
取り組みは継続することに意味がありますから、事業を通じた環境・社会的インパクトの創出に向けてさらに歩みを進めていきたいですね。
長澤:
資産運用のお取引で環境改善・社会貢献できる商品を今後も増やしていけるといいですね。最終的には、投資する領域によってお客さまが商品を選べるようになれば、さらに新しい価値が生まれそうだと考えています。
小河原:
「社会貢献したいから銀行に行く」と言える未来が実現して、「この潮流の起点はサステナビリティ預金だったな」と思えたら、こんなにうれしいことはないですね。切れ目のない社会貢献機会をお客さまに提供できるよう、またみんなで企画を出し合っていきたいです。
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